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マテリアルズ・インフォマティクス班

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近年の材料研究では、実験や計算によって得られるデータが急速に増加しています。一方で、新しい材料の発見には依然として多くの試行錯誤が必要であり、膨大な候補の中から有望な材料や条件を見つけ出すことは容易ではありません。

マテリアルズ・インフォマティクス(Materials Informatics, MI)は、材料科学と情報科学を融合し、機械学習や最適化技術を活用することで、材料開発の効率化と高度化を目指す研究分野です。当研究班では、結晶構造予測、機械学習、第一原理計算、量子計算技術などを組み合わせ、新規材料の探索や材料特性の予測に取り組んでいます。

図1 マテリアルズインフォマティクスとは

図1 マテリアルズインフォマティクスとは

ペロブスカイト太陽電池のデータ駆動型研究

ペロブスカイト太陽電池は、高い変換効率と低コスト製造の両立が期待される次世代太陽電池として注目されています。しかし、性能や耐久性は材料組成だけでなく、作製条件やデバイス構造にも大きく左右されます。

当研究班では、世界中の研究者によって報告された実験データや論文データを活用し、機械学習による性能予測や安定性評価に取り組んでいます。[1] また、単なる予測に留まらず、モデルの解釈を通じて性能や耐久性に影響を与える要因の理解を目指しています。[2]

図2 ペロブスカイト太陽電池のデータ駆動型研究 (based on [1])

図2 ペロブスカイト太陽電池のデータ駆動型研究 (based on [1])

ペロブスカイト材料の結晶構造予測

材料の性質は、その化学組成だけでなく、原子や分子がどのように並んでいるかによって大きく変化します。特に有機無機ハイブリッドペロブスカイトでは、有機分子の向きや結晶構造の違いが材料特性に大きな影響を与えることが知られています。

当研究班では、結晶構造探索アルゴリズム、機械学習ポテンシャル、第一原理計算、アニーリングマシンなどを活用し、ペロブスカイト材料に対する効率的な結晶構造予測手法の開発を進めています。[3] 実験だけでは観測が難しい構造候補についても計算機上で検討し、材料設計への応用を目指しています。

図3 ペロブスカイト材料の結晶構造予測

図3 ペロブスカイト材料の結晶構造予測

有機分子結晶の結晶構造予測と物性設計

有機分子結晶では、同じ分子から形成される結晶であっても、分子の配列や結晶構造の違いによって光学特性、電子特性、安定性などが大きく変化する場合があります。

当研究班では、結晶構造予測技術を用いて有機分子結晶の安定構造を探索するとともに、得られた結晶構造と物性との関係を解析することで、新たな機能性材料の設計指針を構築する研究を進めています。

図4 有機分子結晶の結晶構造予測と物性設計 (based on [4])

図4 有機分子結晶の結晶構造予測と物性設計 (based on [4])

機械学習・最適化技術を活用したさまざまな材料探索

材料開発では、組成、結晶構造、作製条件など多数の変数が存在するため、最適な材料を見つけることは大規模な探索問題となります。

当研究班では、機械学習、ベイズ最適化、アニーリングなどの最適化技術を活用し、従来よりも効率的な材料探索手法の開発に取り組んでいます。これらの技術を結晶構造予測や材料設計へ応用することで、次世代のデータ駆動型材料研究の実現を目指しています。

また、本研究班ではペロブスカイト材料や有機分子結晶に加え、エネルギー材料、電子材料、機能性材料など幅広い材料系を対象として研究を展開しています。[5-9] 産学連携や共同研究も積極的に推進しながら、計算科学とデータ科学を活用した新しい材料開発手法の確立に取り組んでいます。

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